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食べ物情報

衝撃のあぶら(2008.07.09)

これをみて私はぶったまげました。
日本にいる方はみんなしっているのかな?

動物性油より植物性油の方が危険だという話です。
リノール酸が悪いらしいっす。
お子さんをお持ちの方は是非ご覧ください。

「あぶら」の新・常識ブック

教えてくれる先生 奥山治美さん
金城学院大学薬学部教授。東京大学薬学部卒。米国留学後、名古屋市立大学薬学部教授を経て現職。1992年には日本脂質栄養学会の初代会長を務めた食用油研究の第一人者。著書に「油このおいしくて不安なもの」(農文協)

ニューヨークでは、トランス脂肪酸という成分を多く含むマーガリンやショートニングなどのレストランでの使用が禁止されるなど、いま「あぶら」の安全性が揺らいでいます。コロッケやフライなど「あぶら」を使った料理は子供たちのお弁当の定番。いったい「あぶら」が危ないって本当なのでしょうか。「あぶら」研究の第一人者の奥山先生に聞きました。

まずはチェック!!
食用油の新・常識10
あなたはどれくらい知っていますかチェック (全部正しい)
以前は正しいとされていた食用油についての学説がどんどんくつがえされているのに、まだ多くの人が古い食用油の常識にとらわれています。健康に良いとされたことが、実はその正反対だったら? まずは、そんな新・常識を、あなたがどれくらい知っているのかチェック。ひとつも知らなくても、この特集を読めば大丈夫ですよ。
□ 1 マーガリンは健康に悪い
□ 2 脂肪がつきにくいとされる健康オイルも実はあまりヘルシーではない
□ 3 バターやラードなど動物性脂肪のほうが植物油よりずっと安全だ
□ 4 植物油脂を含んだお貸しや揚げ物はたくさん食べてはいけない
□ 5 一般の植物油の中では菜種油が一番健康に悪い
□ 6 オリーブ油には発ガン促進作用があると言われている
□ 7 シソ(エゴマ)油か亜麻仁油(あまにゆ)は健康に良い
□ 8 DHAやEPAを多く含む魚油は健康にとても良い
□ 9 コレステロール値が高い人のほうが健康で長生きする
□ 10 リノール酸を取り過ぎるとキレやすい子供になる

■ 動物性脂肪は悪で、植物性脂肪は善というのは間違い

質問 これまで植物油はヘルシーなものとされてきたのに、どうしていま、安全ではないといわれるようになったのですか?
回答 確かにいままでは動物性脂肪より植物油を使ってコレステロールを減らしましょうなどといわれてきました。でも、これが完全に間違いだったんですね。実は、動物性脂肪は安全だし、コレステロール値は高いほうが健康にいいということが分かってきたのです。これまでの常識とは正反対なのです。そしてむしろ植物油のほうにこそ、健康に取って見過ごせない問題があるらしいことが見つかってきたんです。リノール酸という言葉を聴いたことがありますか?
質問 マーガリンや植物油のラベルに「リノール酸たっぷり」なんて書いてありますから、とってもヘルシーなものなのでしょう?
回答 リノール酸は必須脂肪酸という、体が必要とする大事な栄養素ですし、コレステロール値を下げるから健康にいいとされてきました。ところが、これがまた完全な間違いでした。必要量を取っている分にはいいのですが、取り過ぎると反対に体に悪い物質を作り出す元となり、大きな問題になっているのです。
質問 エッ、そうなのですか!? 健康にどんな害があるのですか?
回答 まず、リノール酸を取り過ぎると、アトピー性皮膚炎や花粉症などのアレルギー疾患が起きやすくなります。また動物実験で、ネズミの行動が神経症的になり、自分の行動を抑制する力が落ちて、不安感が増します。うつ病や、いわゆる「キレやすい子供」というのも、このリノール酸の取りすぎによって生まれてくると私は考えています。

■ 日本人はリノール酸を取り過ぎている
質問 怖いですね。でも、みんなが取り過ぎってわけでも・・・。
回答 いえ、全般的に取り過ぎている人のほうが多いでしょう。リノール酸は一日に8グラムほど取れば十分です。ところが日本人は一日平均12グラム以上も取っています。だいたい、ご飯や卵、肉、野菜を普通に食べるだけですでに5グラムほどのリノール酸を摂取しています。あと3グラムを取れば十分なのですが、たとえばポテトチップスを100グラム食べればそれでもう9グラムのリノール酸を摂取したことになるのです。
質問 その上に揚げ物やドレッシングをかけたサラダを食べたりしたら、ものすごい量のリノール酸を取っている事になりますね。
回答 その通りです。リノール酸からできる物質の一つ、トロンボキサンA2というものが多くなると高血圧や血栓を生じさせて心筋梗塞や脳梗塞の引き金ともなります。リノール酸を取りすぎていいことは何も無いんですね。植物油を取らなくても、普通の食事をしていればリノール酸が足りなくなることはありません。ですから、リノール酸を多く含む植物油やマーガリンなどはなるべく食べないようにするほうがいいのです。下の表*を見るとわかりますが、植物油といってもいろんな種類があり、その成分の割合もまったく違います。油を使うなら、リノール酸が少ない動物性脂肪か、シソ(エゴマ)油を使ったほうがよいというのが、この表から分かりますね。
質問 表を見ると、パーム油やオリーブ油もリノール酸が少ないのでヘルシーなんじゃないですか?
回答 確かにリノール酸は少ないですが、別の問題がまたあるのです。パーム油というのは、アブラヤシの実からつくる植物油で、お菓子などに使われる植物油脂の多くがこのパーム油です。ところがこのパーム油には、動物実験で発ガンを促進するなど、安全性に問題があることがわかっています。オリーブ油にも同様の発ガン促進効果があります。日本で一番使われているカノーラ(菜種)油も同じで、動物実験ではこれを多く摂取したネズミの寿命が4割も短くなることが、私たちやカナダ健康省の研究で見つかっています。これらはみな、植物油に含まれる微量の有害物質が原因で、いま、その正体を特定しようと研究が進められているところです。
質問 オリーブ油は健康に良いと思っていただけにショックです。
回答 気持ちはわかります。でも、研究の結果、安全性に疑問符がついたからには警告を出すのが私たち研究者の義務なのです。とはいえ、過剰に摂取することに問題があるということで、たまにオリーブ油を使う分には問題はありません。
質問 最近の話題のトランス脂肪酸はやっぱり危険ですか?
回答 トランス脂肪酸というのは、マーガリンやショートニングなどの原料を製造するときにできる物質で、アメリカなどでは使用が制限されていますが、研究データを見る限り、トランス脂肪酸にはそれほどの危険性は無いのではないかと私は考えています。むしろ、この製造過程でビタミンKが有害物質化することのほうが問題だと思っています。ビタミンKの働きがおかしくなると出血が止まらなくなったりするなど、いろんな悪影響が出てきます。そういう点から言えば、やはりマーガリンやショートニング、スプレッド、植物性生クリームなど、トランス脂肪酸を多く含む食品は取らないほうがよいですね。

■ α-リノレン酸をたくさん取ると健康に良い
質問 結局、バターかシソ(エゴマ)油が一番ということですか?
回答 そうですね。ただしバターやラードなどの動物性脂肪は取りすぎると太るので気をつけましょう。シソ(エゴマ)油にはα-リノレン酸という成分が含まれて居ます。これはリノール酸の取りすぎが引き起こす害悪と戦う、いわば善玉脂肪酸なのです。取りすぎても問題が無いので、料理に使う油をこのシソ(エゴマ)油に替えることをおすすめしますね。値段が高いのが玉にキズですが、妻と二人の我が家では280ミリリットルで1500円ほどのシソ(エゴマ)油一本を一ヶ月ほどで使い切ります。そのかわり揚げ物はしません。亜麻仁油もα-リノレン酸を多く含んでいるので健康に良いですよ。
質問 さて、コレステロール値が高いほうが健康的だということもいままでの常識とは正反対ですが。
回答 コレステロール値が高いと心疾患になるというのは間違いで、実は統計の取り方に問題があったのです。いまはむしろ、高齢の方はコレステロール値が高いほうが良くて、低いほうが死亡率が高いというのが常識です。子供たちにはまだ関係ないかもしれませんが、コレステロールを減らすことをうたい文句にした植物油をとる必要はこの点からもないことになります。また、脂肪がつきにくいことをうたった植物油も、その安全性についてはまだ結論が出ていないということもお知らせしておきましょう。
質問 魚の油はどうなんですか?
回答 DHAやEPAを多く含む魚の油は健康にとても良いです。DHAは脳の働きに必要な物質で、これが足りなくなるとうつ病を引き起こすとも言われています。シソ(エゴマ)油に含まれるα-リノレン酸にも、実は体内でDHAを作り出す働きがあるんですよ。
質問 魚をたくさん食べる食生活が良いということですね。
回答 その通りです。言い換えれば、伝統的な和食がもっとも健康的な食事ということです。植物油をあまり使わず、魚や野菜をたくさん食べる。日本人の昔からのそんな食生活を取り戻すべきだと思います。そうすれば、リノール酸の取りすぎも防げますし、植物油に含まれる有害物質の摂取も少なくなります。もちろん、ときにはコロッケやフライや天ぷらを食べたっていいでしょう。おいしいものは、おいしいですから。大事なのはバランスであり、植物油を取りすぎないことなのです。
質問 昔の人は植物油を取りすぎてはなかったのですね。
回答 1960年代から日本人の食生活は急速に欧米化し、植物油を多く取るようになりました。そのツケがいま回ってきたのだと思います。ぜひ子供たちのためにも諸仏油は使いすぎないようにしましょう。

植物油を減らすためのワンポイント・アドバイス
■ マヨネーズは低カロリーものを
普通のマヨネーズは、その7割が植物油ですが、カロリーハーフやカロリークォーターなどとして売られている低かカロリーなものは、含まれている植物油が少ないので、こちらのほうを使うようにしましょう。
■ ドレッシングはノンオイルで
市販のドレッシングならもちろんノンオイルのものを買うようにします。家で作るときは、シソ(エゴマ)油を使うようにしましょう。
■ コーヒー用のクリームにも注意
コーヒーに入れるクリームも、実はそのほとんどが植物油からできています。そのため、トランス脂肪酸や微量の有害物質などが含まれていると思ってよいでしょう。ですから、市販のものを買うときは、原材料名表示を見て「乳脂肪分」と書いてあるものを選ぶようにしましょう。
■ シソ(エゴマ)油は炒め物にも使えます
安全性が高く、α-リノレン酸が多く含まれているシソ(エゴマ)油は、炒め物などに使っても大丈夫。健康のために、毎日少量をスプーンで飲む人も居ます。
■ フライなどはラードで揚げる
家でフライなどの揚げ物をするときは、ラードで揚げるようにするとよいでしょう。食感もサクサクしておいしいですよ。
■ お菓子を買うときも原材料名表示をしっかりチェック
お菓子やパンなどにも植物油はたくさん使われていますので、注意が必要です。原材料名表示では、たくさん使われている順に原材料や添加物がかかれますので、表示の最初のほうに「植物油脂」や「マーガリン」などと書かれているものはなるべく避けましょう。最近は、せんべいなどの米菓子にも植物油脂が使われていることが多いので注意しましょう。植物油脂を使っていないお菓子を探すのはたいへんですから、ふだんから気をつけて、安全なお菓子をストックしておくようにしたいものです。
■ 子供のおやつは果物を
おやつには果物や芋などを食べるようにして、子供が摂取する植物油脂の量を減らすように工夫することも大事です。
■ 牛肉やラム肉はリノール酸が少ないので安心
肉は基本的にリノール酸が少ない食品ですが、中でも食べたものを反芻する牛や羊といった動物の肉は、さらにリノール酸が少ないので安全です。